雑記録

Twitterで書ききれない長文を投げるときにつかいます。

同人イベントにサークル側で初参加したお話

タイトル通り、はじめて本を作って、はじめてイベントに参加した体験談です。

いわゆる「字書き」目線でお送りします。

 

 

 はじめに

 まずは簡単な自己紹介をさせていただきます。

  • 二次創作は他の方の作品をTwitter上で楽しむだけ、イベントに参加したことも、どなたかの本を手に取ったこともありませんでした。
  • 文章を書くのが好きなので、その延長でときどき小説を書いていました。
  • NL/BL/GL、いわゆるCPからは、どれも距離を置いた人間です。どちらかと言えば苦手で、自分で書くこともできません。
  • R18も同上。

まとめると、オタクを自称することがはばかられるくらいの、ゲームが好きなごく普通の人間です。

参加のきっかけは?

 さかのぼること数年、私は某国民的RPGのシリーズが好きで(DなんとかとFなんとか、どちらも好きですが今回はDのほうのお話です)みなさんとおなじように当時発売された最新作を買いもとめて、楽しんでいました。

たいへん気に入ったのですが「お話の結末がふたつある」という仕掛けをもった作品でして、私は片方の結末にすこし引っかかるところがあったんですね。

「ハッピーエンドではある…んだけど、本当にこれでよかったのかな?」と思いまして、そのもやもやとした気持ちを形にしてみようと思い立ち、はじめて二次創作の小説をしたためて、某イラスト投稿サイトで発表しました。

思いのほか好評をいただけまして「そうか、やっぱり同じことを感じた人、多かったんだね」と満足はしたのですが、特に同人分野の活動に興味があったわけではなかったので、書いて良かったなとは思いつつも、同タイトルで別の作品を作ることも、別のジャンルに移動することもなく、それきりになっていました。

 

それから月日がたち、同タイトルに追加要素をつけたした完全版のようなものが出ることになりまして、思い入れのあるタイトルなので私はとても楽しみにしていました。

オリジナル版の発売当時は、Twitterでの活動はしていなかったのですが、完全版が出ることがうれしくてTwitterをのぞいてみましたら、発売のかなり前の段階から私と同じように楽しみに待っておられる方がたくさんおられまして、二次創作をされていらっしゃる何人かの方とつながりが出来たんですね。

そのうちに私が書いた小説に興味を持って読んでくださった方に「半年先のイベントに出るんだけど、ご一緒にどうですか?なんならこちらの作品をそのまま本にするだけでも大丈夫なので」と誘っていただけまして…

私は関東在住なのですが、誘っていただいたイベントは大阪のものだったので「大阪旅行のついでにイベントに出てみるのも、面白いかもね」と軽い気持ちでご一緒させていただくことにしたのが、今回のきっかけとなりました。

 

半年後への準備

ずいぶん前に書いた作品を本にするのはいいとして、一冊だけ並べるのではさびしいよね…と思い立ち、新作を用意することにしました。

前回は片方のエンディング後を描いたので、今回はもう片方のほうのお話にしよう、それぞれで一冊づつ並べたらおさまりがいいよねとすぐに思いつき、そこからお話を作りはじめました。

完全版の発売日がイベントの4か月前でしたので、3か月あれば十分に書きあげられるでしょう、追加要素がいろいろあるだろうから、実際に書きはじめるのはロケハンをしてからのほうが良いよねと考えまして、あれこれアイデアを出してお話を練りつつ、発売を待ちました。

実際に発売されてから丸々ひと月ほど、みっちりと楽しませていただきまして、お話はできた、新しいアイデアもたくさん拾えた、これで準備は万全と、作品を書き始めることにしました。

 

たのしい執筆活動

長編の中の区切りの良いところでパートを分けて、書きあがりしだい投稿していく形をとったのですが、これがとても楽しく…

前作も同じ形式をとっていましたが、投稿サイトの外で一切活動をしていなかったので、閲覧数や評価は増えていくものの、直接感想やリアクションをいただけたことが無かったんですね。

それと比べて、今作はTwitterのほうで細かく感想を伝えていただけて、続きを楽しみにしてくださる方に恵まれたうえ、すこしづつ読んでくださる方も増えていきまして、元々文章を書くことが大好きな上に、書いたものに反応までいただけて、こんなに幸せなことってある…?と、執筆中はただひたすらに楽しかったです。

締め切りのプレッシャーで気を病むこともありましたが、読んでくださった方々のおかげで、15万文字の作品が無事に完成までこぎつけることができました。この場を借りて、改めてお礼をさせていただきます。ありがとうございました。

 楽しいですね、同人…みなさんがハマっている理由がとてもよくわかりました。

 

本にする作業、イベントへの準備

本文を書きあげたので、イベントまで半月あまりの段階で、ようやく本の形にする作業にとりかかりました。

 困った事に、一緒に参加した方が「自家印刷、自家製本をする絵描きさん」と、ページ数の都合でどうしても印刷所を利用させていただかなければならない字書きの私とは対極にありまして、なにもかもイチから調べて作業を進めることになりました。

本文がすでに書きあがっていても、めまいがするほどに覚えることが多く…

  • 表紙の制作(絵も少し描けますが、表紙にできるようなものは描けないので、そのためのアイデア出しから)
  • 本文の組版(生の.txtで書いていたので、縦書きへの整形作業)

  • 入稿のためのお作法の学習(印刷所のWebがとても親切だったので助かりました)

絵描きさんと違い、本文はキーボードを叩いて書きあげるだけなので、この段階ではじめてpdfという画像形式に落とし込むあれこれを学ぶ必要があり、とても大変でした。

本の作業以外にも…

  • 当日に向けてのTwitter上での告知(どうしても画像を作らなければいけない)
  • スペース用のPOP制作(同上)
  • 展示レイアウトの学習、機材の用意

などなど、たくさんの作業があり、私にとってはどれも「こだわりがないのに、ちゃんとやらないと周囲から浮く」ので必要に迫られてしなければならないもので、とても辛かったです。

このあたりで学び覚えたことは、のちの方のために別記事にまとめておこうかと思います。

 

イベント当日

参加を決めてから下見のために別のイベントに足を運んでいたのですが、それでもサークル側で参加して「設営完了しました!」などとつぶやく瞬間は、ほんの1年前まで想像さえできなかったので、とても感慨深いものがありました。

CP無し+一般向け+小説本が極北の存在であることはわかっていたので、当日は持ち込んだものを丸々持ち帰る覚悟をしていたのですが、ありがたいことに思った以上に手に取っていただくことが出来まして、とても感動しました。

素性もしらない、どこが引っかかったのかもわからない方に、自分の作品を手に取っていただけるのは、とても不思議な思いがしました。

 

感想など

以後は参加後の感想文です。

いま感じていることは、率直に言えば「本編の最終回をネットに投稿した瞬間が、楽しさと達成感のピークだったかな」という一言になるでしょうか…イベントに参加されるみなさんの動機はおそらく

  1. 友人、知人に会うために参加する
  2. ステキな作品に出会うために足を運ぶ
  3. 自分の本を誰かの手に取ってもらいたい

この3点になるかと思いますが、私の場合は1番の理由がかろうじてあっただけな上に、誘ってくださった方の他に会場に知り合いもほぼ(Twitter上で作品を目にして、名前は存じている方はおられました)いませんでしたので、イベント後の大阪観光より楽しかった?と聞かれると、素直にはいとは答えられない感じでした。

はじめてのサークル参加で余裕がなく、他に参加されたみなさんとコミュニケーションを取れなかったのも大きいです、ここは反省点ですね。

 

一方で、やはり締め切りのある作業ができたことは大きく、もし参加しなかったら今回書き上げたものは間違いなく世に生まれていませんでしたし、その過程で知り合えた方もたくさんいらっしゃいましたので、その点は参加して良かったな、と心から思っています。

作品を作ることはとても楽しいので、今後もネット上で続けていきますが、イベントに関しては、もしも友人知人が多く参加されるイベントがあれば、また出てみてもいいかな、という程度に考えています。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。