雑記録

Twitterで書ききれない長文を投げるときにつかいます。

同人誌のつくりかた 小説の場合

小説本を作ってイベントに参加するにあたりまして、知識経験の一切ない状態からあれこれ学び覚えたことが、これから同じように本を出してみようと思われる方のお役に立つのではないかと思いましたので、書き残しておくことにします。

本文に入る前にひとこと…難しくないのでご安心ください。すぐできます。 

 

 

はじめに

【2019年版】磯野ー! 小説同人誌作ろうぜー!

 https://albalunaweb.net/knowhow/3340.html

 

作業にあたりまして、上記のWebサイトがとても参考になり、大いに活用させていただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。

大変よくまとまっていて、必要な情報はほぼ書かれていますので、本記事をお読みになる前に、一度目を通されることを強くオススメします。

以降の記事は、上記のサイトのちょっとした補足程度のものになります。

 

作業全体の流れ

前提として、すでに本文が書きあがっているものとして話を進めます。

データとして出来上がっている文章を本の形にするためには

 

・本文のレイアウト、整形

印刷所にお願いするためには、家のプリンタで印刷するときと同じように、そのまま印刷できる形に仕上げる必要があります。縦書き/横書きに整形し、ページ番号をつけ、章の始まりが偶数ページになるように空白ページを挿入、中表紙と奥付…などなど

 

・表紙の制作

本の制作にあたり、おそらくここがもっとも苦労を要する作業になるかと思います。

 

・PDF化して印刷所に入稿 

PDFについては後述します。

 

おおまかにまとめてしまえば、これだけのお話ではあります…が、お仕事等で同様の作業をこなされたことのない限り、どちらもソフトの使い方を新たに覚える必要がありますので、数日程度の時間を見ておくことをオススメします。

 

 本文のレイアウト

 どのような環境で文章の制作をされているかは人によって違います(たとえば私はテキストエディタを使って.txt形式で書いています)が、入稿用にPDFデータとして形にする必要があります。

Word形式とくらべてPDFにはどのような環境で表示/印刷、拡大/縮小をしても崩れない。手元で理想的な形にととのえておけば、そのままの形で印刷してもらえるというとても大きな利点があり、プロの現場でも入稿はPDFで行われているようです。

印刷所によってはWord形式でも入稿できる場合がありますが、おおきな手間にはなりませんし、PDF形式は手元で出来上がりを想像しやすいです。

 

お手元にWordをお持ちの方はレイアウトを整えて、保存形式をPDFにするだけなので簡単ですが、もしもお持ちでない方はLibreOfficeという無料で使えるWordによく似たソフトがありますので、そちらを導入すれば問題ありません。同じくPDFで保存できます。

LibreOffice https://ja.libreoffice.org/

もしもPCをお持ちでない、もしくはWordに触りたくない方がおられましたら、Pixivに小説をPDF化する機能がありまして、ノンブル(ページ番号)や奥付も自動で入れてくれるので、そのまま入稿に使うことができます。特にこだわりのない方はかなり楽が出来ます。

 

 前置きが長くなりましたが、レイアウトに関してはかなり簡単で、配布されているテンプレートに本文を流しこむだけですぐに出来上がります。

・楽猫堂 http://nameless.2box.jp/rakugakidou/index.html

私はこちらの楽猫堂さんのテンプレートを利用させていただきました。

印刷するサイズと、一段・二段組のどちらにするかを選んで、Wordに読みこむだけなので簡単です。フォントなどの調整を加えたい場合も、その段階で変更するだけです。

 印刷所によっては、本文用のテンプレートを配布されているところもありますので、そちらを利用するとより安心かと思います。

 

中表紙や奥付についてはWordの表組などを利用して作るだけですが、レイアウトに悩みたくない場合は上述の楽猫堂さんで配布されている「A5フルセットテンプレート」というものにどちらも含まれておりますので、そちらを利用されるとよろしいかと思います。

 

表紙の制作 

ここが一番の悩みどころですね…。

まずはお持ちでなければソフトの用意からですが

 

・CLIP PAINT STUDIO https://www.clip-studio.com/clip_site/

とにかくユーザーが多いので、わからないことがあればググるだけで大抵はすぐに解決できます。購入しなくとも月額500円で利用できますし、試用期間もあります。

 

・Krita https://krita.org/jp/

こちらは完全に無料のソフトです。機能面は遜色ないですし、操作もわかりやすい…のですが、ユーザーが少ないのでわからないことがあった時にすこしだけ困るかもしれません。

 

 PhotoshopGIMPなど、有名な画像編集ソフトはほかにも色々ありますが、このふたつに比べるとかなり習得のハードルが高いので、画像編集ソフトの扱いに慣れていない方は、上記ふたつのどちらかを利用することをオススメします。

どちらもpsd形式の出力に対応していますので、そのまま入稿に使うことができますが、オンラインのPDF化サービスを利用することで、レイヤーの設定ミスなど余計なトラブルを防ぐこともできます。

・PSDからPDFへのコンバーター https://convertio.co/ja/psd-pdf/

たとえばこちらですが、ほかにもPSD PDFで検索するとたくさん出てきます。

 

 次に表紙の制作…に入る前に、実は大事な注意点があります。

私がお世話になったポプルスさんの入稿ガイドがたいへんわかりやすかったので、まずはご覧ください。

・ポプルス利用ガイド 表紙原稿 | 株式会社ポプルス

こちらにかかれている通り、背表紙、裏表紙、それに断ち切りを考慮したデザインを考える必要があります。

それぞれの寸法などはお願いする印刷所によって変わりますので、各々にチェックしていただくとして、本題の表紙制作について。

私には何か語れるほどの知識がありませんので、デザインから制作までに参考にさせていただいたり、利用させていただいたサイトをまとめておきます。

 

 

・10分でできる! Web小説の表紙画像をそれなりにサクッと作る方法 http://tadeku.net/80026

・小一時間で、フリーソフトのメディバンペイントのみで小説同人誌の表紙を完成させるメイキング http://novel-doujin.hatenadiary.com/entry/2016/12/11/013828

デザイン面では上記のサイトが参考になりました。

 

続けて写真素材

・ぱくたそ https://www.pakutaso.com/

・写真AC https://www.photo-ac.com/

このふたつのサイトは大変有名で使いやすいですが、そのぶん他人とカブりやすい面がありますので…

・Unsplash https://unsplash.com/

・Pixabay https://pixabay.com/ja/

・Burst https://burst.shopify.com/

これらの海外のサイトを利用されるのも良いかもしれません。検索には英語をお使いください。

 

フォントはこちら

 ・商用可!手書きでナチュラルな無料フォント100個まとめ 2019年完全版(和 / 英文対応) http://photoshopvip.net/99366

・2020年用、日本語のフリーフォント418種類のまとめ -商用サイトだけでなく紙や同人誌などの利用も明記 https://coliss.com/articles/freebies/japanese-free-fonts.html

 

 写真を使わずにパターン素材などを利用する場合

・イラストAC https://www.ac-illust.com/

こちらが便利ですが、ほかにもPixivやCLIP STUDIOのイラスト素材ストアなどでもたくさん見つけることが出来ます。

 

印刷所選び、入稿について

 同人誌を制作していただける印刷所は探す必要もないくらいたくさんあるのですが、小説は「対応はしている」程度に受け付けておられるところが少なくなく、そういったところにお願いすると、どうしてもページ数が多くなる小説本はかなりお高くなってしまいますので、よくよく探して検討されることをオススメします。

 

私が調べた中では

・ちょ古っ都製本工房 https://www.chokotto.jp/

たいへんお安いですが、受け付け/締め切りのルールに非常にクセがありますので、ご利用の際はよくお調べください。早めに行動できる方にオススメ。

・製本直送.com https://www.seichoku.com/

小説本の場合、こちらの二か所が特にリーズナブルにお願いできそうでした。ほかにも見つかればまた追記していきます。

 

入稿のルールについては本当に印刷所によって異なります(特に表紙)ので、お願いするところのガイドラインをよくお読みになってください。

 

おまけ・イベント当日について

覚え書き程度に書き残しておきます。

コミケの準備はOK!?イベントのブース設営で使える便利なテクニック【保存版】 https://www.pixivision.net/ja/a/3132

・【お役立ち】コミケコミティアのスペース設営│同人誌即売会のディスプレイ実例 https://purako-blog.com/oyakudachi-comike-display/

こちらのサイトがとても設営の参考になりました。

 

・編集できる 値札テンプレート https://creativepark.canon/doujin/sampleItem01.html

値札はこちらを利用させていただきました。

 

当日かならず必要になるものは

・テーブルに敷く布

110cm幅がサークルスペースにぴったりのサイズになるようです。

「あの布」「サークル布」などで検索するとすぐに見つかります。

・お釣り

小銭のやり取りがある場合、受け渡し用のトレイもあると良さそうです。

このふたつがあれば、とりあえずはなんとかなるようです。

 

それ以外で気がついたものは

・展示用ポップ

通路から見えやすいように吊り下げたものは、多くの方に見ていただけましたが、手に取って読めたらいいかな?とテーブルの上に設置したものは、やはりスペースで近寄って足を止めるのは抵抗があるので、あまり意味がなかった気がします。

「通路からちょっと足を止めて見られるポップ」という範囲の中で工夫されるのが良さそうです。

・フリーペーパーなど

やはりみなさん用意されておられますので、手に取ってくださった方も「受け取る前にきっと何か入れるよね?」という感じで待ってくださいますので、なにも準備がないと気まずい空気が流れます…すみませんでした…

気合を入れたものでなくとも、ちょっとしたメッセージや名刺など、とにかく本といっしょに渡せるなにかを用意しておくことを強くおススメします。